研修目標
多彩な疾患や外傷による心身の機能障害,日常生活活動の制限,社会参加の制約に包括的に対処するリハビリテーション医療の実践者となるために,急性期を含む傷病の様々な時期におけるリハビリテーションのニーズに的確に対応できるような専門的知識・技能を修得することが目標です。
日本リハビリテーション医学会による「リハビリテーション科専門医」認定試験に合格するレベルの知識・技能を修得することが基本となります。
経験できる疾患
附属病院リハビリテーション科では、多くの診療グループからあらゆる年齢層の多彩な疾患例が紹介されています。
運動器疾患、血管障害・腫瘍・変性疾患等の神経・筋疾患の他、廃用等の二次的な心身の機能障害を伴った状態について多数のリハビリテーション依頼があります。
現行の制度においては、以下を算定できる施設基準で診療を行っています。
●脳血管疾患等リハビリテーション:脳血管障害、脳腫瘍、脳外傷、神経筋疾患、末梢神経障害、脳性麻痺等
●運動器リハビリテーション:骨・関節等の疾患および外傷全般
●呼吸器リハビリテーション:開胸・開腹術周術期のリハビリテーションを含む呼吸器系疾患
●がん患者リハビリテーション:悪性腫瘍全般
●心大血管疾患リハビリテーション:急性心筋梗塞、大血管疾患、開心術後、慢性の心大血管疾患等
●廃用症候群リハビリテーション:急性疾患に伴う安静による廃用症候群
リハビリテーション部門としてのベッドは有しておらず、対応の中心は入院患者です(新規依頼入院約280人/月、外来8~10人/月)
リハビリテーション治療を継続している主たる患者は入院患者150~180人です。
不定期の実施例を含めるとほぼ同数の外来患者が、継続例として登録されています。
地域内に小児のリハビリテーションを実施している医療機関が少ないため、外来患者の多くは小児の長期継続例です。
長期継続例は、主に進行性の疾患や運動発達遅滞など現行の制度上で標準的な日数を超えての実施が認められている障害のある方々です。
また、補装具診では、義肢、装具、車椅子などの補装具を処方し、長期的に使用状況を確認しています。
経験できる手技・検査
理学療法、作業療法、言語聴覚療法といった基本的なリハビリテーション治療について理解を深めるとともに、関連施設を含めて研修します。
検査
●生理学的検査(呼吸・循環・神経)
●画像検査(運動器、中枢神経系の他、嚥下などの機能画像
●嚥下内視鏡
●各種高次脳機能検査
●心理検査
治療
●神経ブロック
●ボツリヌス毒素による痙縮治療
●義肢装具療法
●ロボットリハビリテーション
研修プログラム
◇専門研修1年目(S1)
筑波大学附属病院リハビリテーション科(急性期リハビリテーション、小児を中心とした外来でのリハビリテーション)での研修とともに、運動器、神経系、精神、呼吸器、循環器、膠原病、代謝、発達など関連が深い領域の中で、初期研修では十分な研修が出来なかった領域を中心に希望する診療グループのローテーションも可能です。
◇専門研修2年目(S2)・3年目(C1)
関連病院リハビリテーション科および関連各科において、急性期または回復期のリハビリテーション研修を行います。希望により、地域で展開される在宅リハビリテーションについての研修も選択可能です。
◇専門研修4年目(C2)
筑波大学附属病院リハビリテーション科または関連病院リハビリテーション科において主に急性期リハビリテーションに従事しながら、毎年7月に行われる専門医試験を受験し専門医取得を目指します。
※リハビリテーション科医学会では他の基本領域*の専門医とのダブルボードが認められています。
*リハビリテーション医学会HPを参照
サブスぺシャリティ
現行の制度では、日本臨床神経生理学会、日本感染症学会、日本小児神経学会の専門医を取得することが可能です。
研修施設
基幹施設:筑波大学附属病院
連携施設:茨城県立医療大学付属病院
(稲敷郡阿見町)
志村大宮病院(常陸大宮市)
日立総合病院(日立市)
水戸日赤病院(水戸市)
JAとりで総合医療センター(取手市)
茨城リハビリテーション病院(守谷市)
土浦協同病院(土浦市)
筑波学園病院(つくば市)
筑波記念病院(つくば市)
子育て支援
リハビリテーション科では、妊娠・出産・子育てと仕事の両立が図れるよう、個々の状況に応じた働き方を支援します。
女性医師看護師キャリアアップ支援システム|筑波大学附属病院総合臨床教育センター (tsukuba.ac.jp)