リハビリテーション科の取り組み


ボツリヌス治療外来

ボツリヌス治療とは、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、筋肉の緊張を和らげたり、痙攣を抑えたりする治療法です。

ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので感染することはありません。

ボツリヌス治療とリハビリテーションを合わせて行うことで、関節の変形を防ぎ症状を和らげ、日常生活が過ごしやすくなることを目的に行っております。

当外来では、保険適応となっている以下の症状に対し、小児から成人まで対応しています。

 

対象となっている症状

・上肢痙縮、下肢痙縮(手足の筋肉のつっぱり)

 脳卒中の後遺症や頭部外傷、脊髄損傷、脳性麻痺などが原因で起こる運動障害の症状の一つです。

 


義肢装具外来

装具とは、病気やケガなどにより手や足など体の部位に麻痺、損傷が起こり、低下したり失われたりした身体機能を補うために装着する器具です。

義肢とは、病気やケガなどにより手や足を失った方が装着する器具で、元の手や足の機能と形を復元するため装着、使用する人口の手足のことです。

義肢装具支給においては、専門の医師の処方が必要となります。

当外来では、専門的に身体機能、残存機能を評価し、義肢装具士とともに適切な装具を作製致します。

また、体に合っていない義肢装具は、本来の機能を十分に発揮できないばかりでなく、転倒のリスクが高まったり、関節等の疼痛の原因、皮膚トラブルを生じたりしますので、体の状況が変わった場合や劣化による破損の場合は、それに応じて作り替えていくことが必要になります。


摂食嚥下障害外来

食べること(摂食)、飲み込むこと(嚥下)は、人が生きていくうえでとても大切な機能です。

一方で、日本人の死因の第3位に肺炎が上がり、高齢者の肺炎の多くは食べる機能に問題がある場合が多くみられます。

早期に摂食嚥下機能を評価し、対処方法を考えていくことは、肺炎だけではなく、生活の質を高めることができると考えられます。

当外来では、食べること、飲み込むことの機能評価とリハビリテーション指導を行っています。

レントゲンを使った「嚥下造影検査」やのどの動きを内側から見る「嚥下内視鏡検査」を実施し、嚥下障害の的確な診断を行います。

また、摂食嚥下障害認定看護師や言語聴覚士によるリハビリテーション指導や食形態・姿勢のアドバイス、家族指導などを実施しています。